盛夏のかきつばた~生花・魚道生け

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季節がめぐると、自然のお花も趣きを変えていきます。
いけばなの生花(しょうか)という生け方では、自然の姿を一瓶の花器に生けて、最大限に花の美しさを引き出すこととされます。

5月に生けたかきつばたも、8月には、今は盛りとばかりに伸び伸びと生育した美しさを見せてくれます。まるで、艶やかな女性らしさをまとったように、色気が出てくるのです。ですから、5月とはまるで異なる生け方をします。

秋になると、葉っぱに枯色が混じり、侘しさの中にも風情が出てくるでしょう。
そして、冬になると今度は、朽ち果てた葉の中に、ひっそりと春を待つ花が、薄氷の中で懸命に咲く小さな姿は、自然のたくましさを教えてくれるでしょう。

そんなふうに、一年の変化を楽しめみながら生けることからも、いけばな界では、「かきつばた」ファンが多いのだと思います。


聞いた話ですが、かつて松山市に、こんないけばなの先生がいらしたそうです。

『かきつばたが大好きで大好きで仕方がなく、とうとう、かきつばたのための、私だけの田んぼを買いました。そして、その田んぼには、山から直接水を引いて育てることにしました。』

貴重なお花ですから、お花屋さんも、それなりのお花屋さんでないと仕入れてくれないかきつばた。ましてや、旬と言われる春以外の時期に、入手して生けるのは、とても貴重なことなのです。
この先生は、一年中、かきつばたを生けたくて、かきつばたとずっと向き合うために、みずから生育されたのです。その強い想いは、作品に現れて、その先生が亡くなられて10年近く経った今も、かきつばたでその先生に勝る方はいないと言われています。


花の出生を大切にするということは、とても奥が深く、何年お稽古をしても、なかなか習得できないものです・・・。


【花形】 生花(しょうか) 魚道生け  (二株の間を魚が通る池をイメージしたもの)
【花器】 水盤
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by hoansan | 2007-08-18 19:12 | ★いけばな&レッスン
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